ジェネリックとは~メリットとデメリット

あなたは、ジェネリック医薬品または後発医薬品という言葉を聞いたことがありますか?
有効成分は同じ、と説明されていますが、=効果も同じ、なのでしょうか?

ジェネリックとは何か

新薬の開発というとものすごくお金のかかる研究ですが、大金を費やして新薬を開発してもすぐに他のメーカーに真似されてしまっては開発費をはたいたメーカーは開発損になってしまいます。
このため、新薬は一定期間特許で守られており、他のメーカーが同じ薬を出すことはできません。
最初に開発された新薬をジェネリックと区別して、「先発品」と呼びます。

これに対してジェネリックとは、特許の切れた薬を別の医薬品メーカーが作ったものです。
薬は化学物質なので、誰が作っても同じものができそうな気がしますが、有効成分が同じ=効果が同じということなのでしょうか?

ジェネリックと先発品の違い

ジェネリックと先発品は有効成分が同じということですが、はたしてジェネリックの効果も先発品と同じなのでしょうか。

薬は有効成分だけでできているわけではありません。
薬によっては全体の体積から見れば、有効成分はごく少量ということもありえます。

例えば、薬にはコーティングが施されていますよね。
このコーティング剤の性能はジェネリックでも先発品と同じとは限りません。
極端なことを言えば、有効成分は同じでも溶けないコーティングが施されているジェネリックがあったとしたどうなるでしょう?

有効成分が溶けないコーティングで守られてしまっているわけですから、薬はそのままおしりから出てきてしまいますよね。
これでは効くわけがありません。

これは極端な話ですが、有効成分が同じなら効果も同じ、というわけにはいかないのが薬です。

薬の構成成分

薬をよく見ると書いてあるんですが、1mgとかっていう薬はザラにあります。
たった1mgの薬って、手で持てるのでしょうか?目に見えるのでしょうか?
少量過ぎて、手でつかむのは難しいかもしれませんね。

実は薬の多くの部分は賦形剤という有効成分以外のものでできています。
薬は賦形剤おかげで、錠剤と言う形に固められたり、色をつけられたり、手に持ちやすくしたりできるのです。

また、賦形剤には別の役割もあります。
例えば腸溶錠という薬があります。
腸でゆっくり溶けるように設計されている薬なのですが、どうしてそんなことができるのかと言えば、この賦形剤やコーティング剤のおかげです。
ジェネリックは有効成分が同じというだけで、先発品と同じように腸でゆっくり溶けるという保証はありません。

薬の効果は有効成分だけで決まるわけではない

このように、薬が効果を発揮するためには、有効成分だけではなく賦形剤やコーティング剤をはじめとして様々な要素も関係していることがわかります。
有効成分が同じなので効果も同じ、なんていうことはないのです。
少しだけ例を挙げましたが、このように薬の効果には有効成分以外の活躍も少なからず必要なのです。

安いけど有効成分は同じ ≠ 効果も同じ、ということにはならないのでご注意ください。

ジェネリックは効くのか

いろいろな要素があるのではっきりとした原因はわかりませんが、私を含めてジェネリックは先発品ほどは効かないという感想を持っている医師は多いと思います。
例えば抗生剤を使っていてもジェネリックだと先発品に比べて治るのに時間がかかる、とか
血圧を下げる薬を使っていて、同じ1mgを処方しているのに血圧の下がりが悪いので、ジェネリックだと2mgを処方しなくてはならない、とか
ジェネリックは効きが悪いのではないかと思うことが使用していて多々あります。

私は個人的に自分に使うときには、ジェネリックはなるべく使いたくないと思います。
すべてのジェネリックがそうかわかりませんし、効きは感覚的なものもありますので絶対とは言えません。
しかし先ほど申し上げたように、使っている実感として先発品より効きが悪いと思うジェネリックはとても多いです。
また、他の医師と話していても同じように先発品の方が良く効くという意見の方が圧倒的に多いです。
あなたが薬局で薬を買うときの参考になれば幸いです。

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