血圧の上と下って?説明できますか

病院に行くとほぼ必ず置いてある自動血圧測定器。
血圧を測ると 120/80 なんて印刷されてきます。
この場合「上120の下80でした」という言い方をされますが、この「上」と「下」ってどういう意味だかご存知ですか?

心臓の血液の送り方は一定ではない

「血圧の上と下」は正確には収縮期血圧と拡張期血圧と言います。

心臓は拍動することで血液を送り出していますので、電動ポンプのように常に一定の圧力で血液を送っているわけではありません。
心臓は左心室が収縮することで血液を大動脈に送り出しますが、拡張しているときには大動脈への血液の輸送はストップし、逆に右心室から血液を取り込んでいます。
つまり、血液の送り出し方にムラがあるということです。

収縮期血圧と拡張期血圧

左心室が収縮して、ぎゅっと血液を送り出したときの高い圧力を「収縮期血圧」と言います。
その後、血液を送り出して萎んだ左心室は、次に送り出す血液を取り込むために再度膨らみます。
ただし、ただ膨らんだのではせっかく送り出した血液が逆流してきてしまいますよね?
そこで心臓は再度拡張するときには大動脈への逆流防止弁を閉じて、いま送り出したばかりの血液が戻ってこないようにしてから拡張して右心室から次の血液を補充します。

この、弁が閉じて左心室が拡張しているときの血圧を拡張期血圧と言います。
ちなみに、血液を送り出していないからと言って拡張期血圧が0になることはありません。
これは例えて言うなら、風船に息を吹き込み続けなくても風船が縮もうとする力によって風船内には常に一定の圧力がかかり続けるのと同じ理屈です。

上の血圧と下の血圧はどちらが重要か?

高血圧の治療で収縮期血圧と拡張期血圧のどちらの方が重要かという話はありません。
収縮期血圧も拡張期血圧もそれぞれ高血圧の基準をクリアする必要があります。

下は高いけど、上はそれほどでもないから大丈夫・・・なんていうことにはなりませんのでご注意ください。

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