その薬、強くないですか?と気になるあなたに

「強い薬を飲むのは怖いので、弱いのにしてください」とか
その薬強いですか?」と聞かれることがあります。
強い薬と弱い薬ってどんな薬でしょうか?

強い薬ってどんな薬?

内科医として15年以上勤務してきましたが、先日セミナーで新たな発見がありました。
強い薬とはどんな薬か?
候補として私が考えていたのは

・作用が強い薬
・副作用が強い薬
・副作用が出やすい薬
・副作用が致死的な薬

でした。

しかし、参加者のみなさんが考えていた強い薬はこの中のいずれでもありませんでした!

なんと、多くの参加者の方が強い薬として思い浮かべたのは「胃が悪くなる薬!」だったんです。

胃が悪くなるのは強い薬か?

正直、かなり驚きました。
胃が悪くなるのはロキソニンやボルタレンなどの解熱鎮痛剤の副作用として有名ですが、
そうするとロキソニンやボルタレンが強い薬?と、私はかなり違和感を感じました。

強い薬というイメージの強いであろう抗がん剤は副作用が強い薬というイメージですよね?
ロキソニンやボルタレンは確かに胃粘膜障害を起こしますが、
少し飲んだくらいで胃潰瘍になるとか、そんなに強いものではありません。
胃は悪くなりますが、障害の程度は少なくとも短期間の使用ではさほど強くないので、強い薬とは言えないと思います。

意味が通じないことは結構多い

その薬、強くないですか?というのは、どういう意味で使われている言葉なのでしょうか?
何気なく使っている言葉でも、実は全く意味が通じていないといういのはよくあることです。

同じ言葉を話しているつもりでも、実は全く認識がズレているということは医療ではしばしば起こります。
医療者側も気を付けてはいますが、的確にあなたの希望を伝えるには、ある程度のヘルスリテラシーが必要ですね。

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