病院を受診する前に読んでください~インフルエンザかなと思ったら

インフルエンザの時期になると発熱の患者さんがたくさん受診します。
「熱が出たので、インフルエンザが心配だから早めに受診しました」は正しい判断でしょうか?
熱が出たら、早めの受診?
あなたがインフルエンザだったら抗インフルエンザ薬を使いたい、というのであれば発症後48時間以内に使い始める必要があります。
そういう意味では、ある程度早めの受診が必要です。
ただ、抗インフルエンザ薬には、あなたが期待しているほど効果はないかもしれませんが・・・
抗インフルエンザ薬の効果をご参照ください。
早すぎる受診の問題点
しかし、ここで一つ問題があります。
インフルエンザの診断は簡易キットで行いますが、発症後経過時間が短すぎると検出感度が悪いらしいのです。
検査キットは各社から販売されており、新しいものも発売されていますのですべての検査キットのデータを確認することはできませんが、一例としてラジオNIKKEIというところで見つけた記事のデータをご紹介します。
この図では25-48時間後まで検出感度の向上を認めていますが、一般的にだいたい24時間経てば、検出感度は最高に達します。
なので、発症後24時間で検査をすれば、偽陰性(本当はインフルエンザなのに、インフルエンザと診断されない可能性)を減らすことができます。
しかし、これは発症後24時間経たないと必ずしも検出できないというわけではありません。
発症後3時間でも40%程度の患者ではすでに陽性反応が認められています。
なので、早めに検査することが無意味なわけではありませんが、空振りが嫌なら24時間程度待ったほうが良いかもしれません。
薬を使用するなら使用開始は早いほうが効果は高いので早めの受診が良く、
一方で検査的には少し時間が経ってから検査したほうが検出できる可能性は高くなる、
相反した二つの条件があるのが難しいところです。
時々早めに診断して“インフルエンザだったら”感染予防を、という趣旨の話を時々聞きます。
しかし、インフルエンザは予防するけど風邪ならうつしてもいい、ということはないですよね?
あなたが発熱していれば、常にインフルエンザかもしれないと思って周りの人に接したほうがいいでしょう。
逆に、発熱患者が周りに居たら、インフルエンザだと思って対応するようにしましょう。
インフルエンザで困るのは誰か?
発熱患者さんに、仕事に行ってもいいですか?と聞かれることがあります。
その人は大した症状ではないので仕事に行けると思って聞いているのかもしれません。
仕事をして具合が悪くなるのはその人の自由なので、一人で仕事をしているのなら「ご自由にどうぞ」と思います。
しかし、多くの場合、インフルエンザの人が仕事に来て迷惑なのは周りの人たちです。
インフルエンザの検査が陰性なら出社するという人がいますが、検査も100%ではありません。
それでも仕事をしたければ、私ではなく周りの人に聞いてみるのが良いのではないでしょうか?
インフルエンザが職場中に蔓延するかもしれないのに、それでも「仕事に来い」って言う上司なんているのでしょうか?
もしいるなら、職場にインフルエンザを蔓延させてその上司に責任を取ってもらえばいいと思います(笑)
因みに、抗インフルエンザ薬に周りの人への感染予防効果はないと考えられます。
過去の記事、抗インフルエンザ薬の効果をご参照ください。