肺炎球菌ワクチンを受ければ、もう肺炎にはならない?

肺炎球菌ワクチンを受けましょう、というポスターが病院に貼られているのを見たことがありますか?
肺炎球菌ワクチンを受けると、肺炎にはならないのでしょうか?

細菌性肺炎の原因菌は肺炎球菌だけではない

細菌性肺炎は、肺炎球菌だけが肺炎を引き起こすのではありません。

図は市中肺炎の原因微生物の割合を表しています。
市中肺炎という言葉、聞きなれないかもしれませんが、市中肺炎の反対語は院内肺炎です。
病院の外で肺炎にかかった人という意味です。

原因微生物の割合に関してはいろいろな報告がありますが、成人の市中肺炎に占める肺炎球菌の割合は概ね3割程度です。
原因不明も相当数ありますので、その中の一部にも肺炎球菌が含まれている可能性はあります。
しかし、それを勘案しても肺炎球菌が細菌性肺炎の原因菌として占める割合は半分もいかないでしょう。

例え、肺炎球菌ワクチンで100%肺炎球菌性肺炎を防げたとしても、細菌性肺炎の半分も防ぐことはできないのです。

肺炎は細菌性肺炎だけではない

以上は細菌性肺炎の原因菌の内訳ですが、肺炎の原因は細菌感染だけではありません。
高齢者の場合には、誤嚥性肺炎も肺炎の原因として見逃せません。

高齢者の死因につながる肺炎の大部分は誤嚥性肺炎

肺炎は常に上位にランクインしている死因です。
しかし、ここでいう高齢者の死に直結する肺炎は、もちろん細菌性肺炎も含まれますが、大部分は誤嚥によって引き起こされる誤嚥性肺炎と考えられます。
なので、肺炎球菌ワクチンによる肺炎死亡率の低下を期待しているのでしたら思ったより高い効果は得られないと理解しておく必要があります。

肺炎球菌ワクチンを接種しても肺炎を完全に防げるわけではありません。

例え、肺炎球菌ワクチンで100%肺炎球菌による肺炎を防げたとしても、全体の肺炎に占める割合は半分もないのです。
むしろ、ごく一部の肺炎を防ぐことができる可能性があるくらいに思っていた方がいいでしょう。

効果を正確に理解したうえで接種を受けるかどうか判断しましょう。

肺炎球菌ワクチンの接種を推奨しないような記事になってしまいましたが、肺炎球菌ワクチンは効果があります。
高齢者は接種しておいたほうが良いでしょう。
ただ、過度な期待はしないようにしてくださいね。

Pocket