調子が悪いときは早めの受診?

「少し体調が変なので、調子が悪くなる前に来ました」と言う患者さんがいらっしゃいます。
変だな、と思ったら早めの受診が良いのでしょうか?

病気の初期に診断をつけるのは難しい

「今朝から熱が出ました」と受診する患者さんがいらっしゃいます。
悪くなったら困るので、早めに受診したそうです。

治療を行うためにはまず診断をつけなくてはならないのですが、これだけの情報で診断がつくでしょうか?
熱が出る病気は沢山あります。
今朝から熱が出た、だけでは情報が少なすぎて、熱が出る病気というだけで診断をつけるのは難しいです。

病状が進行すれば診断もつきやすくなる

最初は熱が出ただけだったけれど、翌日になったら咳や痰も出て息が苦しくなってきた。
ということですとどうでしょう?
肺に何か異常があるのかもしれませんね。

「肺の病気が原因で熱がでているのかもしれません、レントゲンを撮ってみましょう」
と検査を提案することができます。

熱+腹痛が酷くて吐き気もある、ということでしたらお腹の病気で熱が出ているのかもしれません。
例えば胆嚢炎や虫垂炎(盲腸)かもしれません。
お腹の検査(エコーやCT)をしてみましょう、ということになります。

しかし、「熱が出た」というだけではどこを検査したら良いのか見当がつきません。
とにかく検査をして欲しいという方もいらっしゃいますが、何も考えずに採血やレントゲンを撮っても診断には結びつかないのです。

私たちは疾患を想定して、その疾患を見つけるのに最適な検査を選択しています。
情報が少なすぎると診断するのは難しいです。
そういう意味では「早めの受診」はお勧めしません。

後医は名医」でも少し書きましたが、病気は初期よりもある程度進行してからの方が診断はつけやすいのです。

あなたは「後医は名医」という言葉を聞いたことがありますか?

ただし、たとえば「手が急に動かなくなった」
ということですと話は少し変わってきます。

手が急に動かなくなる病気は沢山はありません。
熱がでる病気は沢山ありますが、急に手が動かなくなる病気はそれほど思いつきません。
症状が日常的に経験しないような特殊なものの場合には早めに受診した方が良いでしょう。

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